適当に投稿。転載するダメです。

5/23 晴れ

 

昨日のこと。

学校には日本人がそこそこいて今10人ほどいるんじゃないかと思う。数えてないし数える気もないから、それより少ないかもしれないし多いかもしれない。ただ街を歩いててもあまり見かけることのない日本人が10人もいると考えると希少スポットであることは間違いない。

そんな10人は4:6くらいの男女比で構成されていて、それぞれ仲良くしているようには見える。僕は輪にあまり加わらないので詳しいことはわからない。

その6の中に僕より2、3歳上の落ち着いた雰囲気の女性がいる。落ち着いた雰囲気とは言っても色気があるとかそういうことではない。大きな声で騒いだりとか華美な格好を見たことがないという意味での“落ち着いた”だ。彼女は大学を出てから働いていたけども大学卒業旅行として行ったニュージーランドの短期留学が忘れられず、どうしてももう一度ということでお金を貯め仕事を辞めてここに来たらしい。

 

それで、昨日のこと。

なぜだったかは覚えていないけれど、昼食後にその彼女となぜか2人で話す機会があった。これまでも何回かは話す機会があったのだが、すでに書いた通り“落ち着いた”雰囲気の人なのでお互いに過度に話すことはなかった。せいぜい日本でのお互いの生活ぶりやこの街での情報をポツポツとやりとりしていた。

にもかかわらず、昨日はお互いに口が弾んで2、3時間ほど話していた。

 

内容は00年代後半から10年代前半のアニメやボーカロイドについてた。彼女はどうやらオタク側の人間だったらしい。前々から思っていたのだが、一度オタク堕ちした人間というのは遠ざかってもどこかにその傷が残ってしまうように思う。彼女は東京で見かけるような流行に乗ったファッションと言うものをしていない。悪く言うと中学生男子の上位互換バージョンと言うような服装だ。とは言え、アニメイト腐女子コーナーにいる主食がポテチのような女性ではなく普通に整えている人である。髭も剃らない、Tシャツは杏の「働いたら負け」を着ている僕が人のことをどうこう言えたものではないが……。

彼女は特にニチアサの戦隊が好きなようで2、3年前までは昭和から含め全部見ていたらしい。就職してからは仕事の都合上視聴困難になってしまい遠ざかり気味とのことだ。ガルパンも見ていたようだが、ダイレンジャーの名乗りパロは知らなかったようなので伝えた。

 

オタクならわかると思うが、会話の初めはお互いに牽制の仕合いだった。情報を小出しにし返答に含まれるキーワードから相手の属性と戦闘力を計測するやつだ。

ある程度の情報が出揃って住んでいる界隈がそんなに遠くなく且つ歳も近いので、特に何年か前のネタに関しての共通点が多かった。お互いこの国で昔懐かし懐古トークをするとは思っておらず先ほども書いたが思ったより話が弾んでしまった。歳がほぼピッタリでニコニコ動画最盛期の人間だったので昔懐かしネタからボカロPの訃報や歌い手の不祥事なども話すことができた。

 

オタクとは無縁そうな日本人が多い中同じ地獄に住む人間を見つけられて良かった。残念なことに彼女は来月日本へ帰国してしまうようだが、機会があればまた話をしたい。